相続放棄をしても受け取れるお金について
1 保険金
被相続人が生命保険に入っていた場合,相続人に対し,生命保険金が支払われることがあります。
相続人の方が受取人になっている場合(契約上,保険金の受取が相続人固有の権利である場合)は,生命保険金は相続財産ではないため,受け取っても法定単純承認事由に該当する行為にはなりません。
受け取る前に,保険会社の担当者に連絡し,契約上,相続人が受取人とされていることで,および相続人固有の権利として生命保険金を受取ることをしっかりと確認しましょう。
被相続人が生前に入院等をされていた場合の,損害保険金等については注意が必要です。
これは被相続人の生前に発生していた,被相続人に受取る権利のある金銭であった可能性があり,相続財産を構成することもあるので,ひとまず受け取らないようにし,しっかり契約内容を確認しましょう。
2 葬儀に対する給付金
被相続人が死亡した場合,健康保険組合等から葬儀の補助のために給付金が支給されることがあります。
この給付金は,葬儀を行った者に対して支払われると定められており,葬儀を行った者が固有に受け取ることができる金銭であると考えられます。
そのため,被相続人の相続財産を構成せず,受け取っても法定単純承認事由に該当する行為にはなりません。
ただし,実際に受取るための申請する際には,給付金を根拠づける法令等をしっかり参照し,葬儀を行った者固有の権利として支給を受けるものであることを,窓口で確認しておく必要があります。
3 未支給年金
被相続人が年金受給者で,月の途中でお亡くなりになると,本来支払われるべきであった年金(未支給年金)を遺族に支払うことになっています。
2020年6月現在,国民年金法により,未支給年金は,被相続人の配偶者,子,父母・・・という順番で受け取ることができる順位が定められています。
この法律によれば,未支給年金は被相続人の相続財産ではなく,受け取ることができる人固有の権利であると解釈することができますので,受け取っても法定単純承認事由に該当する行為にはならないと考えられます。
もっとも,これも保険金等と同様に,受取人固有の権利に基づいて支給されるものであることを窓口で確認しましょう。
お役立ち情報
(目次)
- 相続放棄が受理されないケース
- 相続放棄をした場合の生命保険の扱い
- 相続放棄と未払いの公共料金
- 相続放棄をした場合に固定資産税の支払いはどうなるか
- 相続放棄をする場合の家の片付け
- 相続放棄の取消しはできるか
- 相続放棄のやり方
- 被相続人の生前に相続放棄をしておくことはできるか
- 相続放棄をした場合の死亡保険金の扱い
- 相続放棄をすると土地はどうなるか
- 相続放棄でまず知っておくべきこと
- 相続財産に手をつけてしまった場合について
- 相続放棄をしても受け取れるお金について
- 被相続人の債務・借金への対応について
- 相続放棄をする理由や動機について
- 相続財産に金銭債権が含まれる場合について
- 相続放棄における裁判所からの質問状対応
- 3か月を過ぎてから相続の開始を知った場合の相続放棄について
- 他の法的手続きと相続放棄の関係
- 次順位相続人へ相続放棄をしたことの連絡をする場合
- 遺言が発見された場合の相続放棄
受付時間
平日 9時~21時、土日祝 9時~18時
夜間・土日祝の相談も対応します
(要予約)
所在地
〒277-0005千葉県柏市
柏4-2-1
メットライフ柏ビル3F(旧表記:リーフスクエア柏ビル3F)
(千葉県弁護士会所属)
JR常磐線柏駅東口,東武アーバンパークライン柏駅東口から徒歩3分。周辺にはコインパーキングも多数ございます。
0120-41-2403
お役立ちリンク