他の法的手続きと相続放棄の関係

文責:所長 弁護士 伊藤貴陽

最終更新日:2024年10月08日

1 準確定申告

 被相続人がお亡くなりになると、相続人は、お亡くなりになった年度の被相続人の所得について税務署に申告し、必要に応じて税金を納付しなければなりません。

 これを準確定申告といいます。

 もっとも、相続放棄をした(元)相続人は、法律上初めから相続人ではなかったことになりますので、準確定申告および納税の義務はなくなります。

2 遺産分割協議

 はじめは遺産を相続するつもりで遺産分割協議を行っていたものの、途中で多額の相続債務の存在が判明したり、相続人とトラブルになって相続に関わりたくなくなった場合など、相続放棄をすることもできます。

 このようなケースにおいては、相続放棄をすべきか否かの判断に時間を要したり、相続放棄をすると判断した時には被相続人の死亡後から3か月を経過する日が迫っていたりする可能性もあります。

 そのため、相続放棄の熟慮期間の延長手続きを行っておくと安全です。

 参考リンク:裁判所・相続の承認又は放棄の期間の伸長

 なお、遺産分割協議を完了してしまうと、法定単純承認事由に該当する行為がなされたことになり、原則として相続放棄はできなくなりますのでご注意ください。

3 自己破産

 相続人において債務の返済が不可能である事情があるため自己破産の申立てを行い、破産開始決定がなされている場合において相続放棄を行うと、原則として限定承認としての効果しか認められません。

 これは、相続財産も債権者への配当原資となり得るところ、放棄をしてしまうと配当原資が減少し債権者を害すると考えられているためです。

 ただし、負債の方がはるかに多い場合などは、相続放棄の申述が受理された後に、破産管財人が家庭裁判所に対し相続放棄を認める旨の申述することで、相続放棄の効果を持たせることができます。

 破産手続きの前に相続放棄をした場合は、特に問題はありません。

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